ストリートスナップを撮るには

先週末ポパイカメラで写真のプリントのついでに2018年の『FILM CAMERA LIFE』と木村伊兵衛の『パリ残像』を購入した。

雑誌のほうに、ライカを愛用する写真家の紹介があって、そこにVivian Maierが入ってた。

昔彼女の記事を読んだことがあってずっと興味があったから、ネットで彼女の生涯を描写するドキュメンタリーを見つけて日曜の夜に観た。

 

いろいろ考えさせられた。

 

Vivianと木村伊兵衛の写真見てると、ストリートスナップこそ撮影のsoulの部分に当たるとつくづく思う。

観光スポットの写真って、誰が撮っても似たような感じになりがちで、「わざわざ私が撮らなくてもいい」って思ったりする。

ポートレートは、やっぱりポーズしている写真は簡単に真似できちゃう。

私が好きな小物の写真もぶっちゃけそう。

でもストリートスナップは違う。その瞬間の動きがあるから唯一無二の写真になる。

ポーズの指示なんかないから時代が変わっても違和感はしない。

 

でも本当に難しいよね、ストリートスナップ。撮影のセンスに関係のない人間性の部分が問われるよね。

知らない人の写真を撮るわけだし、自然な瞬間を捕らえるために何も言わないで唐突に撮るのが理想。

その時点で、常識と法律上、嫌がられても仕方ないと思う。

中には写真が撮られても気にしない人だって大勢いるはずだけど、嫌がる人のことを考えるととても撮る勇気が出ない。

ストリートスナップはともかく、イベントの写真を撮るときもかなり難しさを感じた。

よく知ってる人を撮るときも、唐突すぎるとその場の空気を壊してみんなを不安にさせちゃう。うわ〜

大学のサークルの撮影担当の先輩のことを思い出して、みんなに信頼されてる女性の先輩だった。りのさんが撮るなら喜んで撮ってもらうわってみんな思ってたはず。

ああ、、ああなりたいなぁ。

 

それを考えると面白いのが、Vivianの性格。かなりの変人らしくて、写真を見ると顔もちょっと怖い。

そんな人にいきなり街で写真撮られたら怒る人だってたくさんいそう。実際ドキュメンタリーの中で、Vivianが殴られそうになった話もあった。

それでもストリートスナップを撮り続ける、その勇気は素晴らしい。

 

映画の中のVivianのfake accentの話もとても興味深かった。

すごく無責任な憶測をさせてもらえば、私は Vivianのお父さんかお父さん側の男性の親戚が複数の家族にセクハラしてたと思う。

生まれも育ちもニューヨークなVivianがフランス人のふりをするのは、フランス出身のお母さんとの関係だけを認めたかったから気がする。

Vivianが男性に対する恐怖と嫌悪を持ってるのは昔何かしらのセクハラを受けたからだと他の人も言ってた。

そしてVivianだけではなく、他の兄弟たちもみんなこの家庭との関係を断絶したのは、何が共通する問題があったはず。

以上、sorry Vivian!

 

カメラの話に戻すと、今までRolleiflexのことはただスクエアの写真が撮れるかわいいカメラだと思ってたけど、そういえばファインダーが上向きだからカメラの高さは頭じゃなくて胸くらいだったことに気づいた。

Vivianは180cmくらいの身長だから苦労しないかもしれないけど、私は撮れるものが限られるかもしれないって思った。笑

そのカメラの位置は、ストリートスナップを撮るのにかなり有利だったと言われる。人に気づかれないで撮れたりするし、撮影する人の顔も見えるからある意味怖さも感じないかもね。もうちょっと上手にフィルム撮れるようになったらRolleiflexは絶対手にしてみたい。

でもLeicaは躊躇する。ピント合わせのイメージが難しい。後10年経ってもそこまで行けない気がする。

 

もうちょっと海外旅行できるようになったら、いつか殴られる覚悟でストリートスナップを撮りに出かけてみたい!行動しやすい格好で!